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Posted by ミリタリーブログ  at 

2012年03月23日

8.繁殖期のエゾ鹿の群れの特徴。

繁殖期のエゾ鹿の群れの構造とポイント猟。

NO.1 ボスとハーレム
群れは5頭前後のメスを中心とし、ボスがすぐ近くにいます。
オスは繁殖期になると他のオスの動向ばかりを気にしますが、メスは注意深いので朝の合法
タイム以前に引き揚げ姿を現しません。ボスもそれに同行する為に姿を見るのは稀です。

夕方も同様に時間外になってから出没しますが、翌日が雨になる夕方にはメスも普段より早目
の合法タイムに姿を現し、次いでしばらくするとボスも姿を出します。
ボスと合法タイムに勝負出来るのはこの時以外にありません。

ボスは狩猟経験を多く積んでおりますので、銃を向けると距離が遠くてもすぐに逃げます。
また体格もデカイので急所をピンポイントで撃たないと逃げられます。
心臓を直撃しても200m走られます。その為ボスには必ずナミビアポイントを撃たなければ
なりません。

この通常の半分以下の10cmの急所を200mの遠距離から速く撃たないと捕獲出来ません。
また出会いが極めて稀ですから、ハンターの心理的にはより慎重に狙い外したくない気持ち
と、速く撃たないと逃げられる二つのプレッシャーが大きくなり、結果的には失中或いは
未回収に陥り易くなります。

ボス捕獲が5乗的に難しくなるのは「遠射」で「ピンポイント」なのに、これを「早撃ち」で対処しなければならず、更に超大物の「ド迫力」に負けず、自らの強い「プレッシャー」と戦わなければならないと言う5つの難題がある為です。
ボス級も5~10回の失敗を経験すれば成功しますが、出会いが10~15日に1回程度と少ない
為に、一般的に5~15年とかなりの長期戦になります。

しかし講師は1998年以来2014年までに既に34頭の超大物を捕獲していますから、
一旦捕獲出来る様になればそれほど絶望的では無くなります。

  8歳前後、ほぼ最大級の角長86cmです。
  80cmを超えると超大物と言われ、ド迫力となります。 出会える数もグンと減り、
  85cmを超えると更に激減します。もちろんこのクラスはボス級となり、社会的
  経験量も多く且つ 撃たれ強いので難易度は5乗的に高くなります。



NO.2
群れにはボス以外にも周辺にNO.2やNO.3が付かず離れず状態で、ボスの座やメスとの
接触を狙っています。NO.2は角長70~75cm級の大物です。稀には80cm級の事もあります。
群れとボスが引き揚げるとNO.2は広い場所の中央で「我ここにあり」をアピールします。

これは朝夕が曇っていると合法タイムになりますので、そう言う場所を幾つか知っておくと、
出会いや捕獲の可能性がありますが、その出現のメカニズム上150m前後になります。
また心臓撃ちは逃げられますのでショルダー等を狙います。

ボス級に比べればかなりイージーになりますが、それでも5乗的難易度は同じ方向にあります
ので、舐めて掛かれません。またサボットスラグ銃の場合は限界に近い距離になります。
当初は失中や未回収の連続となりますが、幸いな事にこのクラスとの出会いはボスに比べれ
ば比較的多く得られますので、5~10回の失敗の後に成功し、それは多くの場合で3~5年で
達成されます。

 たぶん5~6歳、角長72cm、70cmを超えると大物と呼ばれます。
 グンと貫録が付いて大物らしくなります。群れの順位で言うとNO.2クラスになります。
 このクラスまではまだ数も比較的多く、出会いも捕獲もまだイージーです。



NO.3
NO.2がアピールするのは10~30分程度ですが、これが終わると今度はその近くのやや小さな
場所で、NO.3が「我ここにあり」をアピールします。
NO.3は多くが60cm級ですが稀に70cm級もいます。

これは完全に合法タイムになりますし、射撃距離も100m程度になりますからイージー度は
グンと増し、更に心臓を撃ってもそれほど走りませんので、この面からもイージーです。
それでも本州鹿より遥かに々に大きく、且つ射手よりも遥かにデカイので当初は迫力負けして、
失中や未回収が続きますが、5回前後の失敗の後に成功し、それは遅くとも2年目以内に
達成されると思います。

 4~5歳になると随分エゾ鹿らしくなります。
 角長は65cm前後、群れのNO.3クラスです。



 3歳になると小さい(もはや本州鹿の比ではありません)ながら50cm前後の3段角になり、
 以後歳を取ると共に大きく太くなります。
 このクラスならば多分初年度の遠征で捕獲出来ると思います。



夕方
夕方はこれらの順番が逆に起こります。
雲っていれば日没の1時間ほど前からNO.3が行動を起こします。また朝も含めて翌日の
出没地は数km変わります。また1度撃たれると時間と場所を更に少し変えて出て来ます。

「ポイント猟」とはこう言った内容を良く考え、出没する場所を幾つか知っておき、その時間に
その場所に直行する、総合的な考える狩猟の事を言います。


若い鹿

 左写真:2才の角は先端のみが少し枝分かれしたカニ角と呼ばれています。
  食べて1番美味しいのもこのクラスです。まだ迫力が無い為に失中する事は少な目です。
 右写真:0歳には角が無く1歳には20~40㎝のピン角と呼ばれる1本角になります。
  このエゾ鹿はピン角で本州鹿の大物を遥かに超える体格になります。



夏毛の鹿

 左写真:初秋のエゾ鹿大物、冬毛に変わりつつ、角も伸び切っていますが
  まだ皮膚が付いています。間もなく角は立木で先端は白く磨かれ、その際にそれ以外の
   部分は樹液や樹皮で着色されます。
 右写真:かなり大物です。夏毛はオスメス同色、本州鹿より赤っぽく白斑点もはっきりしています。
   冬毛になると雄は黒掛かった、メスは灰色掛かった茶色になり、これは本州鹿と同じです。




  


Posted by little-ken  at 10:01エゾ鹿の習性

2012年03月22日

7.エゾ鹿の大物に会えるメカニズム。

エゾ鹿大物の抜群の出会いは講師のセンスによるところも大きいのですが、下記の様な
北海道独特の構造のおかげで起こり、講師はそれを利用しているに過ぎません。
それは美味しい牧草、繁殖の時期に山に積雪、の二つが絡んで起こります。
このメカニズムを備えた所以外は同じ北海道の中でも今一つの成果に終わります。

   牧草の美味しさは魅力だが、ヤバイのは嫌だ。
牧草は山の笹等に比べて栄養も豊富で美味しい為に1部の鹿は狩猟や駆除の圧力があっても
牧草地周辺で年中生活しますが、多く(殆どと思われます)のエゾ鹿は春になると餌の美味しさ
よりも安全を選択して山に逃げ込み、山中で生活します。

山奥に逃げ込んだ鹿は駆除を殆ど受けませんので秋に山から降りる時には「目出たい」側の
鹿の比率が高くなります。一方、牧草地周りや山の入口周辺の鹿は駆除を受け学習が進み
ますのでこのグループの捕獲の難易度は日々上がって行きます。

エゾ鹿は今や増え過ぎて年中駆除を受けています。我々の側からすればエゾ鹿猟はスポーツ
ですが相手側としましては命が掛かっておりますから当然と言えば当然ですがハンターに
会わない様に過剰に反応します。

牧草地周辺で年中生活をしている鹿は殆んど合法時間には姿を出しません。
姿を出してもハンターらしきと見ただけでトンずらしますからここまで学習されると射穫する事は
ほぼ不可能になります。


   繁殖行動は里で行われます。
冬になりますと山には雪が積もって餌が取り難くなりますので里の方に降りて来ます。
エゾ鹿猟が面白い所はこの山を降りる時期の1カ月と繁殖期の1カ月がほぼバッチリ重なる事です。

更に本州に比べて面積も広い為と北海道では猟犬をあまり使わない為に山中で
生活していた鹿は狩猟を未経験の個体も少し居ます。
これが「メデタイ鹿」や更にその上を行くもっと目が出た「デメキン鹿」になるのですが、
これらは少数派です。鹿は群れで暮らしますのでその中の1部が逃げ出せば他の鹿もそれに
吊られて逃げます。

しかし、ここでエゾ鹿の群れの構造から面白い事が起こります。
(詳しくは次項のエゾ鹿の群れの構造を参照)
群れのNO.2やNO.3はこの繁殖期だけはライバルと張り合って単独です。
そう言う自然のメカニズムによりこの中の「メデタイ」側にあるNO.3の70cm級大物オス鹿は
我々ハンターのターゲットになってくれる可能性が高くなります。
(近年は大物率は30%、3段角率は70%に迫りつつあります。)

またNO.2の多くは75cm前後の大物ですが、稀に80cmを超える超大物もいます。
このNO.2も天候異変の前後等の様に天候が味方してくれれば出没しそうな場所やタイミング
はすでに分かっていますから勝負が可能になります。

本州では繁殖期の行動は積雪前になりますので山中で行われますが、北海道の特定地域
では積雪期と重なりますので繁殖行動は里で行われます。
繁殖期のオスの目には余りハンターが写らず、他のオスの動向やメスの群れの動向ばかり
気にしています。

      この2頭の目には他に何も見えていません。ダブルで戴くチャンスです。


もちろん「デメキン」以外は多少の駆除を受けておりますが地元ハンターより(幸いに高齢の為
にあまり速くありません)速くて正確な銃の取扱い技術があれば捕獲は可能になります。
又ハンターを避けて行動しますので更にその先を読む「技術力」も必要になりますが、
これは講師にお任せ下さい。

ターゲットになってくれる鹿の率は相当低く、多くは合法時間外に行動していると思われますが、
それでも生息密度の濃さから「メデタイ」側の鹿だけを追い掛けていても読みを上手ければ
日々5回を超える出会いが生まれるのです。

これらが故に1日2頭以上の捕獲に続ながり、更に大物にも多数出会える理由なのです。
ぜひこの北海道ならではの自然のメカニズムを上手く理解し、エゾ鹿の大物を射穫して下さい。



  


Posted by little-ken  at 09:53エゾ鹿の習性