2012年03月22日

7.エゾ鹿の大物に会えるメカニズム。

エゾ鹿大物の抜群の出会いは講師のセンスによるところも大きいのですが、下記の様な
北海道独特の構造のおかげで起こり、講師はそれを利用しているに過ぎません。
それは美味しい牧草、繁殖の時期に山に積雪、の二つが絡んで起こります。
このメカニズムを備えた所以外は同じ北海道の中でも今一つの成果に終わります。

   牧草の美味しさは魅力だが、ヤバイのは嫌だ。
牧草は山の笹等に比べて栄養も豊富で美味しい為に1部の鹿は狩猟や駆除の圧力があっても
牧草地周辺で年中生活しますが、多く(殆どと思われます)のエゾ鹿は春になると餌の美味しさ
よりも安全を選択して山に逃げ込み、山中で生活します。

山奥に逃げ込んだ鹿は駆除を殆ど受けませんので秋に山から降りる時には「目出たい」側の
鹿の比率が高くなります。一方、牧草地周りや山の入口周辺の鹿は駆除を受け学習が進み
ますのでこのグループの捕獲の難易度は日々上がって行きます。

エゾ鹿は今や増え過ぎて年中駆除を受けています。我々の側からすればエゾ鹿猟はスポーツ
ですが相手側としましては命が掛かっておりますから当然と言えば当然ですがハンターに
会わない様に過剰に反応します。

牧草地周辺で年中生活をしている鹿は殆んど合法時間には姿を出しません。
姿を出してもハンターらしきと見ただけでトンずらしますからここまで学習されると射穫する事は
ほぼ不可能になります。


   繁殖行動は里で行われます。
冬になりますと山には雪が積もって餌が取り難くなりますので里の方に降りて来ます。
エゾ鹿猟が面白い所はこの山を降りる時期の1カ月と繁殖期の1カ月がほぼバッチリ重なる事です。

更に本州に比べて面積も広い為と北海道では猟犬をあまり使わない為に山中で
生活していた鹿は狩猟を未経験の個体も少し居ます。
これが「メデタイ鹿」や更にその上を行くもっと目が出た「デメキン鹿」になるのですが、
これらは少数派です。鹿は群れで暮らしますのでその中の1部が逃げ出せば他の鹿もそれに
吊られて逃げます。

しかし、ここでエゾ鹿の群れの構造から面白い事が起こります。
(詳しくは次項のエゾ鹿の群れの構造を参照)
群れのNO.2やNO.3はこの繁殖期だけはライバルと張り合って単独です。
そう言う自然のメカニズムによりこの中の「メデタイ」側にあるNO.3の70cm級大物オス鹿は
我々ハンターのターゲットになってくれる可能性が高くなります。
(近年は大物率は30%、3段角率は70%に迫りつつあります。)

またNO.2の多くは75cm前後の大物ですが、稀に80cmを超える超大物もいます。
このNO.2も天候異変の前後等の様に天候が味方してくれれば出没しそうな場所やタイミング
はすでに分かっていますから勝負が可能になります。

本州では繁殖期の行動は積雪前になりますので山中で行われますが、北海道の特定地域
では積雪期と重なりますので繁殖行動は里で行われます。
繁殖期のオスの目には余りハンターが写らず、他のオスの動向やメスの群れの動向ばかり
気にしています。
7.エゾ鹿の大物に会えるメカニズム。
      この2頭の目には他に何も見えていません。ダブルで戴くチャンスです。


もちろん「デメキン」以外は多少の駆除を受けておりますが地元ハンターより(幸いに高齢の為
にあまり速くありません)速くて正確な銃の取扱い技術があれば捕獲は可能になります。
又ハンターを避けて行動しますので更にその先を読む「技術力」も必要になりますが、
これは講師にお任せ下さい。

ターゲットになってくれる鹿の率は相当低く、多くは合法時間外に行動していると思われますが、
それでも生息密度の濃さから「メデタイ」側の鹿だけを追い掛けていても読みを上手ければ
日々5回を超える出会いが生まれるのです。

これらが故に1日2頭以上の捕獲に続ながり、更に大物にも多数出会える理由なのです。
ぜひこの北海道ならではの自然のメカニズムを上手く理解し、エゾ鹿の大物を射穫して下さい。







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Posted by little-ken  at 09:53 │エゾ鹿の習性